パスの一部の形状がPDFと異なって出力されてしまう問題と対処法
【対象製品】:Prinect Renderer、MetaDimensionなど
【症状】:1bit出力を行うと、パスの一部の形状がPDFや8bitと異なって出力されてしまう。“ツノ”が生えたような形状になってしまう。
【原因】:
①RIPは曲線のデータを演算処理する際に、出力解像度に応じて直線で近似化の処理を行います。これはRIPの基本仕様になるため、CPSIやAPPEなどエンジンの種類には関係しません。(左がデータ、右がRIP演算時のイメージ。)
②線幅に対してAdobe Illustratorの機能であるマイター結合が施されてるオブジェクトにおいて発生します。マイター結合はオブジェクトの線幅と比率とパスの角度と解像度により、ある条件が揃うとツノが出てしまいます。Acrobatでの表示上はベベル結合だったのがRIP演算の場合は解像度や線幅、マイターの比率などの条件によってマイター結合になってしまうため、ツノが出たようになります。
角の形状:左からマイター結合、 ラウンド結合 、ベルラウンド結合
下記はイラストレーター上でのプレビュー例。
①と②の条件が揃うことにより、意図せずにツノが出てしまうことになります。この条件は出力解像度、オブジェクトのパスの角度や線幅などの条件が揃った際に再現がされます。
下記はRIP演算後のプレビュー例です。どのデータも線幅は同一ですが角の比率が異なるだけで結果が異なることがわかります。また解像度によっても結果は異なります。
【回避策】
・マイター結合を使用する場合は比率を下げる。下記例は10から3に下げた結果。
・鋭角な角度が存在する場合マイター結合を使用しない。下記例はラウンド結合。